出羽三山倶楽部

 

草木国土悉皆成仏〜神仏と出逢う
   
 天空へと連なる山々は冥府であると同時に神仏の領域だ。行者たちは儀礼を通し、十界を巡りながら、神仏たちと交流する。食を絶ち、床に伏し、僅かな眠りの中、薄明かりの燈明を頼りに懺悔の勤行を続ける。
  
勤行
懺悔が繰り返される深夜の勤行は「人間界」の行。同時に断食の峰行全体が「餓鬼界」の行でもある。
水行
近年発見された「清水の権現」は伝説上の霊水であった。山の霊気で行者は六道輪廻から解き放たれ、仏に至る精神的な蘇りを得る。
 下界では、眩い燈火の下で、家族が夕餉を囲み、快適な寝床で安眠を得ているであろう。娑婆世界では、この様な行は無意味でしかない。帰っても誰も誉める者はいない。
 
宿移り
無明の闇を照らす松明は六道の極み天上界への入り口を示す。
無明の中の読経
懺悔ができるのは人間だけである。六道にあって神仏と出逢えるのもまた人間だけである。
 本宗の行者はもともと伽藍や信者を持たない。巷では無為の祈りを司る隠者だ。それが峰中では、山が己の大伽藍となり、草や木、風、星、そして闇夜までもが神仏となる。
   
線香護摩
己の業を線香の炎で焼き尽くす。贖罪の祈りでもある。
場柴燈
場柴燈を飛び越え行者は輪廻流転を絶つ。
 山という擬死再生装置を通し、己の出自を悟る瞬間、行者は全宇宙を内包する法器となる。