| 忘己利他〜また生かされて |
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峰行に醍醐味などはない。たかだか2泊3日の断食と睡眠不足で何が得られるというのだ。空腹と疲労の中で、巷の安楽と快楽を懐かしむ事になる。行者は最後の最後まで己の欲と迷いに翻弄される。
貪・瞋・痴の三毒は勿論、名誉欲や虚栄心、はてまた金欲や性欲などで、これまで多くの行者が神仏からフルイに掛けられ、本宗から去っていった。それもまたよし。行で人生の答えが得られる事は無い。少なくとも、それが答えの一つであろう。 |
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登拝途中での回向
中途半端に経をあげるくらいなら、休んだ方がま |
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登拝
断食の最終日に甑嶽山頂へ赴く。疲労と空腹で肉体は抜け殻と成し、意識のみが覚醒して行く。 |
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地獄界があるならば堕ちよ。餓鬼界であるならば飢えよ。畜生界であるならば本能のままにせよ。修羅界であるならば争え。人間界であるならば煩悩に苛め。天上界であるなら悦に入れ。「もう辞めようか?アイツらのように」。
自問自答が繰り返される。「俺は業を背負っているのだ!」。 行者は神仏に自分自身を曝け出す。そして炙り出された心の隙間に魔界を見る。もう懲りた忘己利他)。そうして、生かされている事に気づく。山はそんな処だ。 |
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山頂での行者
疲労困憊の中、晴れがましい自分に気づいている者はいない。十界の極みに達した姿がここにある。 |
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